イランは広大な国土と多様な地形を持ち、地域ごとに気候差が大きいです。以下に四季ごとの気候の特徴と主なイベント・文化をまとめます。
春(3月〜5月)
気候の特徴
- 気温:3月は10〜20℃、4月は15〜25℃、5月は20〜30℃
- 降水:春先にわずかに雨が降る程度で、乾燥傾向が強いです
- 特徴:晴天が多く、砂嵐が発生しやすい時期です
主なイベント・文化
月 |
イベント |
内容・気候との関係 |
3月 |
ノウルーズ(ペルシャ新年) |
春分の日に合わせて新年を祝います。穏やかな気候で屋外行事がしやすいです。 |
4月 |
シーズダ・ベダール |
春の野外行楽の日です。穏やかな陽気の中、家族でピクニックを楽しみます。 |
5月 |
ゴラブギリ祭り(薔薇水収穫祭) |
カシャン近郊でバラが満開になる時期です。乾燥した晴天の中で行われます。 |
夏(6月〜8月)
気候の特徴
- 気温:6月以降は30℃以上、7〜8月は内陸部で40℃超えの日もあります
- 降水:ほぼ降水はなく、強い日差しと低湿度が続きます
- 特徴:砂漠地帯を中心に猛暑日が連続し、熱中症のリスクが高まります
主なイベント・文化
月 |
イベント |
内容・気候との関係 |
6月 |
カルバラ巡礼 |
宗教行事の一環で、暑さを避けるため夜間の巡礼が中心になります。 |
7月 |
学校・大学の夏休み開始 |
高温のため屋内で過ごすことが多く、家族での旅行やリゾート地への移動が活発になります。 |
8月 |
ヤズド伝統祭 |
砂漠都市ヤズドで夜間に行われる伝統的な祭りです。涼しくなった夕方以降に催されます。 |
秋(9月〜11月)
気候の特徴
- 気温:9月はまだ暑さが残るものの、10月以降は15〜25℃に下がります
- 降水:秋雨があり、湿度がわずかに上昇します
- 特徴:乾燥が和らぎ、過ごしやすい気候になります
主なイベント・文化
月 |
イベント |
内容・気候との関係 |
9月 |
犠牲祭(イド・アル=アドハー) |
イスラム教の重要な祭りです。涼しくなりはじめた気候の中で行われます。 |
10月 |
テヘラン国際映画祭 |
屋内外での上映会やイベントが快適な気候で開催されます。 |
11月 |
全国詩の祭典 |
秋の爽やかな気候を活かし、屋外でも詩の朗読や文化行事が行われます。 |
冬(12月〜2月)
気候の特徴
- 気温:テヘランで0〜10℃、山岳部では氷点下となります。南部沿岸は比較的温暖です
- 降水:12月〜1月に降雨・降雪があり、北部山岳地帯はスキーシーズンに入ります
- 特徴:放射冷却により朝晩は非常に冷え込みます
主なイベント・文化
月 |
イベント |
内容・気候との関係 |
12月 |
新モハッラム |
イスラム暦の新年を祝います。寒冷な気候の中で宗教行事が行われます。 |
1月 |
スキーシーズン開始 |
アルボルズ山脈などで雪質が良くなり、各地のスキー場が賑わいます。 |
2月 |
チャハールシャーンベ・ソー火祭 |
冬の終わりを祝う火祭りです。寒さの中、夜に火を囲んで行われます。 |
季節イベントと気候の関係まとめ
季節 |
気候の特徴 |
主なイベント例 |
春 |
乾燥・穏やかな気温 |
ノウルーズ、シーズダ・ベダール、ゴラブギリ祭り |
夏 |
猛暑・低湿度 |
カルバラ巡礼、夏休み開始、ヤズド伝統祭 |
秋 |
気温緩和・秋雨 |
犠牲祭、テヘラン国際映画祭、全国詩の祭典 |
冬 |
寒冷・降雨・降雪 |
新モハッラム、スキーシーズン、火祭り |
補足
- イランは山岳・砂漠・沿岸など多様な地形を持ち、同じ季節でも地域ごとの気候差が大きいです
- 祝祭日は天文現象(春分)やイスラム暦に基づくため、毎年日付が変動します
- 農業・宗教行事・文化祭は気候に深く結びつき、地域の暮らしと調和しています
イランの季節イベントは、気候の変化や地域特性と調和しながら受け継がれています。