バングラデシュは熱帯モンスーン気候に位置し、四季を通じて気温や降水量の変化が顕著です。各季節の気候特徴と、それに結びつく主なイベント・文化を以下にまとめます。
春（3月〜5月）
気候の特徴
- 気温：上旬は20℃前後、5月にかけて30℃以上に上昇
- 降水：3月は乾季末期で少雨、4月以降プレモンスーンのにわか雨が増加
- 特徴：湿度上昇とともに雷雨が発生しやすい
主なイベント・文化
| 月 |
イベント |
内容・気候との関係 |
| 3月 |
ホーリー（色彩の祭り） |
春の訪れと豊穣を祝うヒンドゥーの祭り。暖かく乾いた気候に屋外で色を掛け合う行事が映える。 |
| 4月 |
ポエラ・ボイシャク（ベンガル新年） |
伝統暦の新年。気温の上昇が始まり、新たな収穫期への期待と重なる。 |
| 5月 |
ラビンドラ・ジャヤンティ（タゴール生誕祭） |
大雨前の比較的安定した晴天を狙い、文化イベントや朗読会が開かれる。 |
夏（6月〜8月）
気候の特徴
- 気温：30℃以上が多く、高湿度で不快指数が高い
- 降水：6月中旬から9月上旬までモンスーン（雨季）で総降水量の約80％を占める
- 特徴：洪水や浸水被害が発生しやすく、農作業は水田管理が中心
主なイベント・文化
| 月 |
イベント |
内容・気候との関係 |
| 6月 |
ラタ・ヤトラ（車輪祭） |
激しい雨の合間を縫って行われるヒンドゥー巡行。雨季の冷涼感が行列を引き立てる。 |
| 7月 |
勝利の日（26日） |
1971年の独立勝利を記念。雨季の中旬であるが、式典は野外でも実施される。 |
| 8月 |
イード・アル＝アドハー（犠牲祭） |
イスラム暦に基づく移動祝日。雨季終盤の涼しい日を選び、犠牲祭礼が行われる。 |
秋（9月〜11月）
気候の特徴
- 気温：30℃前後から徐々に25℃前後へ低下
- 降水：9月まで残留モンスーン、10月以降は雨量減少し乾季に移行
- 特徴：湿度の低下で過ごしやすく、屋外イベントが増加
主なイベント・文化
| 月 |
イベント |
内容・気候との関係 |
| 10月 |
ドゥルガー・プジャ（女神プジャ祭） |
涼しく乾いた気候の中、大規模な祭壇と街頭パレードが行われる。 |
| 11月 |
ナバンナ（新穀祭） |
雨季明けの新米収穫を祝う。適度な気温と乾燥した空気で屋外宴会が盛んに。 |
冬（12月〜2月）
気候の特徴
- 気温：15〜25℃で年間で最も過ごしやすい
- 降水：ほぼ降雨なしの乾季、湿度も低い
- 特徴：夜間は冷え込む日もあり、防寒対策が必要
主なイベント・文化
| 月 |
イベント |
内容・気候との関係 |
| 2月 |
国際母語デー（21日） |
冷涼な気候の中、ダッカ大学周辺で言語運動記念式典や文化行事が多数開催される。 |
| 2月 |
ポエラ・ファルグン（春到来祭） |
伝統暦上の春の始まりを祝う。乾燥した晴天の中、花飾りや詩の朗読が行われる。 |
季節イベントと気候の関係まとめ
| 季節 |
気候の特徴 |
主なイベント例 |
| 春 |
プレモンスーンのにわか雨、高湿度前 |
ホーリー、ポエラ・ボイシャク、ラビンドラ・ジャヤンティ |
| 夏 |
豪雨のモンスーン、高温多湿 |
ラタ・ヤトラ、勝利の日、イード・アル＝アドハー |
| 秋 |
雨季後半→乾季移行、湿度低下 |
ドゥルガー・プジャ、ナバンナ |
| 冬 |
乾季、気温15〜25℃、湿度低い |
国際母語デー、ポエラ・ファルグン |
補足
- 季節ごとの洪水リスクと農作業のサイクルが文化行事の時期設定に影響
- 主要祝祭日は太陰暦・太陽暦が混在し、季節と日程の連動が複雑
- 乾季の冬は観光シーズンとなり、屋外イベントが集中
- 雨季の夏は屋内での宗教行事や家庭行事が重視される
以上がバングラデシュの季節イベントと気候の関係です。
ところどころ雨の可能性