カチャズネクの現在時間

レソトの時間に関する文化

レソトでは、時間に対して厳密というよりも柔軟な考え方が根づいており、約束の時間から遅れて集まることは日常的に見られる行動です。都市部では少しずつ時間厳守の意識が広まっていますが、農村部では「バソト・タイム」と呼ばれる、ゆったりした時間感覚が主流です。

結婚式や地域の集会、学校行事などは、予定された時刻よりも1時間以上遅れて始まることもあります。これは参加者全員が揃うのを待つ文化であり、時間通りに到着した人が早すぎるとみなされる場合もあります。

レソトの多くの人々にとって、時間の感覚は時計ではなく太陽の動きに基づいています。特に農村部では、仕事の開始や終わりは「日が昇ったら始め、日が沈んだら終わる」という自然のリズムに沿って動いています。

時間よりも人とのつながりを重んじる文化があり、会話や交流が長引くことがあっても途中で打ち切るのは失礼とされます。そのため、時間通りのスケジュールよりも「今を大事にする」価値観が根付いています。

交通事情や天候に左右されやすい環境もあり、多少の遅刻や予定変更に寛容な風土があります。スケジュール通りに動くよりも、状況に応じた柔軟な対応が好まれることも多いです。

マセルのような都市部では、特にビジネスや教育の場において時間厳守の意識が高まりつつあり、公共機関や企業では定刻を重視する傾向が見られるようになっています。

会合やイベントは、実際に開始される時間が予定よりも遅れることが多いため、厳密にスケジュールを立てるのではなく、余裕をもった行動が求められます。現地のペースに合わせた柔軟な姿勢が重要です。

バスや乗合タクシーは定刻表がない場合が多く、出発時刻は乗客が集まったタイミング次第です。外国人旅行者は、出発まで待たされることを前提にスケジュールを調整する必要があります。

一方で、行政機関や銀行などは定時で閉まることが多く、閉店時刻ぎりぎりに訪れると手続きが間に合わない可能性があります。これらの用事は午前中や早い時間帯に済ませるのがベストです。

「Basotho Time（バソト・タイム）」という言葉は、レソトに根づく時間感覚を象徴する表現です。人と人とのつながりを重視し、焦らずゆったり過ごすライフスタイルの現れでもあります。

レソトの伝統的な結婚式は、日中から夜遅くまで続くことも珍しくありません。開始が遅れがちなのはもちろん、終わりの時間も決まっておらず、訪問者は好きな時間に出入りするのが一般的です。

冬季は日没が早く、仕事や活動も早めに切り上げる傾向があります。逆に夏は日が長く、夜まで屋外での交流や活動が行われることも多く、季節ごとに時間の使い方が変化します。